不妊治療の中で、なかなか意識が変わってくれないのは精子に関してです。
最新研究では不妊の原因が男性側(精子)が半分を占めていると発表されており、精子の減少は70年代から現在までで62%減少しているそうです。
不妊治療というと女性側の負担が多いうえに、いまだに女性側が原因という認識が根強く、男性側の参加意欲の低さや知識の乏しさには正直腹立たしさを覚えることもあります。
とは言え、精子に注力している病院は多くないのも事実です。特に保険治療の標準化された検査では精子の問題が発見されにくく、その状況のまま妊娠に至らず、長く辛い治療が続いてしまうことも少なくないと感じています。これに関しては保険対象にしたからこそ、精子検査にも力を入れもっと精微な方法で行って欲しいと思っています。
では男性の方、『自分には当てはまらない』『自分は大丈夫』『精子検査なんて嫌』『自然じゃないから体外は嫌』『仕事があるから時間がとれない』『精子検査が屈辱的でもう二度としたくない』と思っていませんか?でも、もしかしたらあなたの精子が原因で妊娠出産が出来ないかもしれないとしたらどうしますか?
一般的な不妊治療で有名な病院でした精子検査をし“問題なし”の人でも、精子検査に力を入れている病院でした検査では“男性不妊”と判明する方が実際には非常に多いです。問題なしでもなかなか妊娠・出産までいかない時は女性側だけではなく『もしかして自分かも?!』と思って欲しいです。そして、精子検査に力を入れている病院で再検査してみてください。
結果的に精子に問題があったとしても後天的に与えられた損傷、例えば喫煙や農薬などの影響は、それを止めれば解決出来ますし、精子が成熟するまでにかかる日数は約75日なので男性には2カ月半ごとに健康な精子を作るチャンスが巡ってきます。精子の検査をしっかり行う病院でさえやることは無いと言われがちですが、そんなことはなく男性側に出来る事はあります。早い方だと生活改善を初めて1ヶ月で結果が変わった方もいます。諦めたり落ち込む必要はありません。
なんども話をしていますが、妊娠は1人では出来ません。
不妊治療は2人で乗り越えてこそだと思っていますので、男性も自分事として向き合って欲しいです。
参考:2022年12月7日 日本経済新聞(ヒトの精子の減少の加速 70年代から6割減、打つ手見えず)
とても興味深いのでぜひご一読してみてください
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD226TU0S2A121C2000000